衆議院平和安全法制特別委員会で行われた安全保障関連法案の参考人質疑(22日)で聴取された一部有識者の意見を注意深く聴いたが、日本語で話していた。「権利はあるが、行使はできない」という安倍晋三政権以前の、難解かつ珍妙な日本語の政府見解を理解できており、日本人なのだろうが、心を傾ける国家が日本とはかぎらぬ。民主/維新/共産の野党3党が招いた元内閣法制局長官は「集団的自衛権の行使容認は限定的と称するものも含め、従来の政府見解とは相いれない」と主張した。憲法はじめ安全保障など、戦後続く基本的枠組みを支持するこの立ち位置は期せずして?中国にピッタリと寄り添う形となった。中国は5月に発表した国防白書《中国の軍事戦略》の中で、こう記して安倍政権を非難した。
戦略的好機が到来
《日本は戦後体制(レジーム)脱却を目指し軍事・安全保障政策の大幅な調整・変更を進め、地域の諸国家に重大な懸念を誘発/中国が主権を有する領土と海洋権益に対し、日本は挑発行動を採り、違法に中国島嶼を占領し、軍事プレゼンスを強化している》