朝鮮半島の軍事境界線をはさむ南北双方による砲撃で、北朝鮮は韓国側との前線地帯を「準戦時状態」にし、極度に緊張を高めた。その両国は、米ソ冷戦時代さながら安全保障の意味合いから宇宙開発でもしのぎを削っている。ただ、韓国メディアは自国の宇宙産業の競争力が主要国では最低水準だと報じ、ネット上でも韓国は「北朝鮮よりも下」と揶揄される。一方、北朝鮮は事実上の長距離ミサイル実験となる「人工衛星打ち上げ」の準備を着々と進める。南北間の宇宙開発競争は米ソ間に比べスケールこそ小さいが、軍事的な意味合いは強すぎる。
米国との技術格差は9・3年、日本とは4・8年
砲撃の直前、韓国の聯合ニュース(電子版)は、韓国の宇宙産業の競争力について「主要国の中で最低水準。中国よりも競争力は落ちる」と指摘した。
また、韓国紙、中央日報(電子版)は、現代経済研究院の報告書「主要国宇宙産業競争力現況と示唆する点」を紹介。韓国の宇宙産業輸出額に関し、2008年は145億ウォン(約15億4000万円)だったが、13年には1435億ウォン(新規調査企業除外)と5年で約10倍に増えたものの、世界輸出市場占有率は米国、中国、日本など15カ国中14位(0・6%)にとどまったとしている。