中国の食べ物をめぐるトラブルは枚挙にいとまがないが、最近クローズアップされているのは、「ニンニク」をめぐる中国の生産業者と韓国政府とのトラブルだ。中国の生産業者が大量のニンニクを韓国に輸出しようとしたところ、韓国検疫当局の品質検査で不合格となり、すべて中国に返送されてしまった。納得できない業者側が反発し、中国・北京の韓国大使館前で抗議活動を展開するなどの事態になっている。先ごろ話題になった「ナッツリターン」ならぬ「ニンニクリターン」騒動。両者の間に何があったのか。(山口淳也)
損失1・9億円
中国紙の北京青年報が今月初めに伝えたところなどによると、中国・山東省のニンニク生産業者が昨年11月、韓国政府機関の韓国農水産食品流通公社の入札公告に応札し、計約2200トンのニンニクを韓国に輸出する契約を締結。12月に入り、同省の青島港から船積みした約2200トンのニンニクを韓国・釜山港に送った。しかし韓国の検疫当局による品質検査で「規定に満たない」と不合格とされたという。
この決定に業者側は抵抗したが、結局、ニンニクは中国に送り返された。青島港に一時留め置かれ、保管費用がかさんだことなどもあって、業者側の損失は1千万元(約1億9千万円)以上に達する見通しという。