「初めて練習艦の艦長に就いて真っ先に『おめでとう』と祝福してくれたのは、9歳の娘でした」
母と娘の交流は、自衛隊の最高指揮官・安倍晋三首相(61)をいたく感動させ、平成26年、防衛省・自衛隊60周年記念航空観閲式の首相訓示の中で、実名を挙げて紹介したほどだった。抜粋しよう。
「長い航海の間には、寂しい思いをしておられるご家族も多いことでありましょう」
ここで安倍首相は、練習艦艦長就任時、大谷さんを最初に祝福した9歳のまな娘に触れ、続けた。
「ご家族の支えがあってこその自衛隊。私は、強くそう思います。ご家族の皆さんが支えてくださるからこそ、ここにいる自衛隊員たちは、立派に任務を果たし、その力を最大限発揮することができる。そのことは間違いありません。本日、この場所にも、たくさんのご家族の皆さんがいらっしゃっております。大切な伴侶やお子様、ご家族を、隊員として送り出してくださっていることに、最高指揮官として、感謝の念で一杯です」
ゴーストライターの手による訓示であっても、心が通う人とそうでない人の差はハッキリする。首相時代に、最高指揮官であったことすら知らなかった菅直人氏(69)や村山富市氏(92)が発した自衛隊向けスピーチは白々しく、士気を下げる、負の結果しかもたらさなかった。