上位グループには担当者による「ハトの会」と呼ばれる親睦会があり、ゴルフや宴会を開いては結束を強めていたという。下位グループでも同様の会合が開かれていたとされる。
東北地方にはかつて、全国で最も強い結束力を誇るゼネコンの談合組織があった。スーパーゼネコン東北支店の元幹部が「仕切り役」を務め、公共工事の落札業者を決めていた。今回の道路舗装各社の談合と符号する点も少なくない。
法改正が転機に
鹿島、清水建設、大林組、大成建設の大手ゼネコンは2005年末に「談合決別」を宣言。部長級以上の社員から「談合しない」との誓約書を取る社もあるほど徹底した。06年1月に控えていた独占禁止法改正が大きな転機だった。
改正では公取委に強制調査権が付与されたほか、違反事業者に金を国庫納付させる「課徴金」が引き上げられ、摘発に消極的だとして「ほえない番犬」と揶揄(やゆ)されることもあった公取委は「戦う組織」へと変貌した。違反を申告した先着3社までに課徴金などを減免する課徴金減免制度(リーニエンシー)が導入されたのも、このときだった。
「震災があろうがなかろうが、彼らはいつだって『談合は必要悪だ』と言っている」。検察幹部の一人は、業界の談合体質は変わっていないとみる。