ソウルの日本大使館の前に違法に設置された「慰安婦像」の撤去・移転について、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は日韓外相会談で「関連団体との協議を通じて適切に解決するよう努力する」と確約した。しかし、韓国では慰安婦問題は“聖域”と化しており、誰も異を唱えられない雰囲気が広がっているのが実情だ。合意を受け28日に記者会見した元慰安婦の間でも、反応は分かれており、元慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)や世論の説得も容易ではない。
現在、解体され工事中の日本大使館の前に2011年、慰安婦像を設置したのが挺対協だ。地元の行政当局は設置許可さえ出しておらず、外国公館に対する侮辱行為はウィーン条約にも違反している。
しかし、韓国政府は「民間団体が自発的に設置したものだ」(外務省報道官)とし、違法行為を黙認してきた。日本大使館前では毎週、像を囲んで対日非難の抗議集会が開かれている。