1972年2月28日、電撃的に中国を訪問し、当時の周恩来首相(左)と会食するリチャード・ニクソン米大統領。ニクソン氏以降8代にわたり、歴代米大統領たちは中国の怪物化に手を貸してきた=中国・上海市(AP)【拡大】
一神教では創造主が宇宙や人間を造ったとするが、中国と中国人は例外の可能性も有る。神は邪悪な国家・民族を造らぬ…と言っているのではない。中国の「創造主」は米国だと、リチャード・ニクソン米大統領(1913~94年)は晩年、米紙の保守系コラムニストだったウィリアム・サファイア氏(1929~2009年)に漏らしている。
「われわれは(中国という)フランケンシュタインを造ってしまったかもしれない」
お花畑の「関与政策」
ソ連との対立は、ニクソン氏を積極的な対中支援へと誘った。以来、米大統領は8代にわたり、強弱は有るものの中国経済発展→中国社会変質→民主化…なる方程式を思い描き、お花畑のごとき《関与政策》を採り続け、中国の軍事・経済力の怪物化に手を貸してきた。理想主義者を気取る非現実主義者のバラク・オバマ大統領(54)に至っては中国を甘やかし過ぎて「強大な魔力」まで授けた。米国防総省の一部官僚・軍人は今、中国を「ヴォルデモート」と隠語で呼ぶ。ヴォルデモートは小説・映画の人気シリーズ《ハリー・ポッター》に出てくる魔法使いで主人公最大の強敵。「名前を呼んではいけない例のあの人」と、恐怖のあまり実名をはばかるほど邪悪な魔術を使う。米国はフランケンシュタインとハリー・ポッターという英国生まれの小説に、要らざる「加筆」をした。