実際…。米国防総省・総合戦略評価室では経済統計などを分析しソ連の弱点=経済に注目、超先端兵器システムの開発・配備競争によるソ連崩壊を実現させた。続いて1990年代末までに中国の軍事力/経済・社会構造/人口動向、果ては孫子の兵法さえ精査し《中長期的に強大化し脅威と成る》と提言したが、米政府はかくも優秀な部局の警告に全力で取り組まなかった。オバマ氏には、中国向けにこう演説していただきたい。
「罪なき人々や国々は残酷にも、正義感も人道的配慮も欠如した力と覇権への貪欲さの犠牲となっている▽法や秩序や正義の在る状態へと文明を進展させた実績と伝統は払拭されつつある▽条約違反と人道的本能無視に共同で反対せねばならぬ」
支那事変勃発後の1937年、フランクリン・ルーズベルト大統領(1882~1945年)が蔓延する疫病=無法を隔離すると、日本とドイツを念頭にぶった《隔離演説》である。
ルーズベルトの死より4年半がたち、怪物のヒナが東アジアに誕生した。「隔離」するべきは、生まれた時点で既に邪悪な心と醜い顔を持ったこのヒナであった。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)