中国の習近平国家主席が19~23日に英国を公式訪問する。習氏は、新型の原子力発電所輸出に関する文書への調印などを予定しており、両国は関係強化に向け大きく前進する。南シナ海での軍拡やアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立などをめぐって米中が対立するなか、中国は「経済」をてこに先進7カ国(G7)の一角を占める英国を取り込んでいく考えとみられ、したたかな外交がここでも繰り広げられそうだ。
中国の国家主席が訪英するのは2005年の胡錦濤氏以来10年ぶり。習主席は18日に配信されたロイター通信との書面インタビューで、英国が中国と経済関係を強化しているのは「先見性のある戦略的な選択だ」と称賛し、他国も見習うべきだとの考えを示した。
報道によると、習氏夫妻はエリザベス英女王の国賓としてバッキンガム宮殿に宿泊。ウィリアム王子による先の訪中に同行しなかったキャサリン妃も習氏を歓迎する晩餐会(ばんさんかい)に出席する。異例の歓待ぶりは、欧州の経済が停滞する中、英国が中国の経済力に期待している表れといえる。