また金氏は「中国はTPP参加国と個別に自由貿易協定を結ぶこともできる。TPPに参加していないことは深刻な問題ではない」とも強調した。TPP参加の有無にかかわらず、中国として経済圏を拡大していくことは可能だとの見方を示した。
オバマ氏は公式には中国にTPP参加を促しているが、TPPで現在の中国には参加できないほどの高い水準の自由貿易圏を築くことで中国を牽制する狙いも何度も明言している。金氏の発言はこうしたオバマ氏の戦略を一蹴し、国際社会のリーダーに上り詰める戦略の一端をのぞかせたものといえる。
年末に正式な発足が予定されているAIIBは57カ国が参加する見込みだが、オバマ政権は中国が主導権を握るAIIBが中国の影響力拡大のツールになる恐れがあるとして参加を見送った。しかし新興国がこぞってAIIB参加に動いたほか、英独仏伊や豪州、韓国なども相次いで参加を決め、米国は国際社会に影響力の低下をさらした。