バラク・オバマ米大統領(54)が気候変動問題への対応でアクセルを踏み込んだ。3日に発表した火力発電所の二酸化炭素(CO2)排出量に対する新規制は、CO2排出量が多い石炭火力発電所の存続を難しくする内容だ。これに対して石炭を主要産業とする各州は猛反発。しかも新規制は気候変動にどれだけのプラス効果をもたらすかは不明で、「コストばかりが高くつく」といった批判が持ち上がっている。米環境保護局(EPA)は排出量削減がもたらす農産物の生産性上昇といった副次的な効果も考慮すれば、プラス効果はコストを上回ると主張。オバマ氏には民主党の支持基盤である環境保護派を満足させたいという思惑もあるようだ。
石炭産業から猛反発
「気候変動はもはや未来の問題ではない。今を生きているわれわれにとっての現実だ」。オバマ氏は3日のホワイトハウスでの演説で、気候変動問題への取り組みに猶予は残されていないとの立場を強調した。