年末の設立に向けた準備が進むアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁に内定している金立群氏(66)が21日、ワシントン市内での講演で、中国主導の経済圏確立に自信をみせた。金氏はAIIB参加を見送った米国について「ドアは開いている」と述べるなどして、大国としての寛容さを強調。AIIBへの支持拡大を食い止められずに外交下手をそしられたオバマ政権は、金氏に古傷に触れられたかたちだ。中国は国際社会のリーダーを目指す裏側では南シナ海での軍事的行動などで国内外に脅威を与えており、オバマ政権は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)推進で牽制するが、中国の勢いを食い止めるには至っていないようだ。
自信満々のAIIB総裁
「『どうして米国が中国のTPP参加を拒んでいるのに、中国は米国のAIIB参加を歓迎しようというのですか?』と聞かれたことがあるのですが、答えは簡単です。われわれは米国よりも寛容だからです」
金氏は講演で自信満々の表情をたたえながら、米国を超えようとする大国としての鷹揚(おうよう)さを聴衆にアピールした。