日本を米国に次ぐ世界2位の「保険大国」に押し上げた原動力は、戦後に確立された女性営業職員「生保レディー」による強力な販売網だが、近年は「企業の警備強化や、オートロックのマンションの増加などで訪問販売が難しくなっている」(生保幹部)。生保各社は対抗策として銀行窓口の強化などを急いでいる。
日生は最盛期に約8万人の営業職員を抱え、企業や官公庁で顔なじみとなった客に保険を販売して業界トップに君臨してきた。その成功体験が邪魔して日生は環境変化への対応が遅れた。
ただ、三井生命は実際の運用利回りが契約者に約束した利回りを下回る「逆ざや」が解消できていない。ある大手生保幹部は「銀行窓販を強化しても、大幅な人員削減がなければ収益は改善しない」と指摘した。
「次の一手」が必要
過去にグループの三井住友海上火災保険や住友生命保険との経営統合を模索したが、両社とも「リスクが大きく、メリットがない」と二の足を踏んで実現しなかった経緯もある。
規模拡大を急いで買収を決めた日生だが、利益も含めて第一生命を再逆転するには、欧米で有力生保を買収する「次の一手」が必要だ。