過去最大の規模
東京海上ホールディングス(HD)は10日、米保険会社HCCインシュアランス・ホールディングス(デラウェア州)を買収すると発表した。買収額は約75億ドル(約9400億円)。国内の保険会社による海外企業の合併・買収(M&A)では過去最大となる。子会社の東京海上日動火災保険を通じてHCC社の全株式を取得し、年内に買収を完了する予定だ。
HCC社は米国や英国、スペインなどで事業を展開し、会社役員賠償責任保険や農業保険など専門性の高い「スペシャルティ保険」に強みを持つ。東京海上が扱っている商品と重複が少ないことから、買収による相乗効果が高いと判断した。
これまでは第一生命保険による今年2月の米中堅生命保険会社プロテクティブ生命の買収(約5750億円)が業界最大だった。東京海上HDは2008年と12年にも1000億~5000億円規模の資金を投じて欧米の複数の保険会社を買収したが、少子高齢化などで国内の事業環境が厳しいことから、収益拡大に向けて海外事業を一段と強化する。