日生は10月下旬に株式公開買い付け(TOB)を開始し、来年3月末までに統合を完了させる。全ての発行済み株式を取得した後に、三井住友銀行や三井物産、三井不動産などに計約15%の株式を割り振り保有してもらう。
≪効果疑問視する声 「逆ざや」解消できず≫
日本生命保険が業界トップの座を取り戻そうと、三井生命保険の買収を決断した。約11年ぶりとなる国内業界の本格再編で規模を拡大し、銀行窓口での販売強化などを目指す戦略だが、業界関係者は効果を疑問視する。「ガリバー」の復権にはさらなる大型買収が避けられない。
銀行窓販での挽回図る
「両社が特性のある商品体系を持ち寄って商品供給力が強化できる。窓販戦略は格段に拡大できる」。日生の筒井義信社長は11日の記者会見で、三井生命を子会社化することで、同業他社に出遅れ苦手分野とされてきた銀行窓販での挽回を目指す考えを強調した。
日生が2015年3月期に業界首位の座を第一生命保険に明け渡すことになったのは「営業職員による販売に固執し、銀行窓販や保険ショップ強化などへの対応が後手に回った」(大手生保幹部)ためと言われる。