その問題意識は、「自国防衛」のための集団的自衛権を認める政府案と共通する。しかし、岡田氏は6月17日の党首討論で「集団的自衛権はいらない」と断言し、生産的な議論の土台を封印。さらに「集団的自衛権行使が閣議決定で認められるなら、同様に徴兵制も認められる」との独自の論理までひねり出した。
6月24日のBS番組では「グアムなど米国まで飛ぶミサイルまでやる(自衛隊が迎撃する)なら、裸の(全面的な)集団的自衛権を認めるしかない」とも述べた。集団的自衛権不要論と併せて考えれば、事実上、対米ミサイルの撃墜は不必要と言ったに等しい。
日本の弾道ミサイル防衛態勢は米軍との共同対処が前提だ。北朝鮮や中国のミサイル脅威に対応するため、軍事技術の進歩は日米の運用一体化をさらに進める方向にある。それを法的に裏付けるには集団的自衛権の論議は不可欠だが、岡田氏は「個別的自衛権で対応できる」と主張するばかりだ。