また、公明党推薦の村田晃嗣(こうじ)同志社大学長(国際政治)は「法案は憲法上の問題を含むが、同時に安全保障上の問題だ」と提起。憲法学者による違憲論を念頭に「安全保障の専門家に意見を聴けば、多くは肯定的な回答をするのではないか。学者は憲法学者だけではない」と述べた。
また村田氏は、集団的自衛権の行使要件など、法案の規定があいまいだとの批判に関し「国際情勢そのものがあいまいな部分を含んでいる。100%明確に定義しなければ法律として成り立たないというのは非常に難しい」と指摘した。
戦争回避は9条のおかげ
一方、野党推薦の有識者3人は、いずれも法案を「違憲」と断じた。
小沢隆一(りゅういち)東京慈恵会医科大教授(憲法学)は、自衛隊そのものが違憲だとの立場から意見を陳述。「憲法上、多くの問題をはらむ法案は速やかに廃案にされるべきだ」と主張した。
民主党政権のブレーンだった山口二郎法政大教授(政治学)は「日本が他国の戦争に巻き込まれずに済んだのは日米同盟のおかげではなく、憲法9条で集団的自衛権行使を禁止していたからだ」と主張。「保守本流という1960年代以降の自民党政権の方針は誠に的確だった」と語り、安全保障を米国に委ね、経済成長に徹する過去の政策を評価した。