一方、民主党の枝野幸男(ゆきお)幹事長は記者団に「『安保法制止めろ』という声が全国で大きなうねりになっている。到底採決できる状況ではない」と述べた。
維新の党は14日の修正協議が不調に終わった場合、委員会採決は退席する方針。下地幹郎特別委理事は13日、記者団に「修正協議がダメなら対案を審議する意味がなくなる」と述べた。
≪「現実問題」「違憲」 すれ違う有識者≫
衆院平和安全法制特別委員会は13日、安全保障関連法案の中央公聴会を開催し、5人の有識者が意見を述べた。与党推薦の2人は外交・安全保障という「現実論」から法案に賛成したのに対し、野党推薦の3人は「憲法論」を軸に反対論を展開。すれ違うばかりの与野党論戦を反映した。
邦人保護の負担押しつけ
自民党推薦の外交評論家、岡本行夫(ゆきお)氏は、日本が集団的自衛権を行使できない制約から、海外での邦人保護で他国頼りだった事例を列挙。「2000年以降でも238人の日本人が11カ国の軍用機や艦船などで救出されてきた」と指摘し、「世界が助け合っているときに『われ関せず』の態度を取り続けるのは、日本人を守る負担を他国に押しつけることを意味する」と強調した。