刺し身に特製ドレッシング
三木秀俊総料理長(41)はこのレストランのスタイルについて「しょうゆの代わりに(イタリア料理で使う)バルサミコソースを使うといった単なる(和洋折衷の)フュージョン・スタイルではありません」と説明したうえで「和を極めたうえで、和にこだわらず、足りない部分をフレンチに代表される洋の要素で補完し、和をさらに進化させたものとして表現しています」と胸を張る。
例えば、空豆は和食のセオリー通りに調理するなら見た目の大切さもあり皮をむいてからゆでるが、翠嵐では和を進化させる意味で、皮の下側のジューシーでおいしい部分を残すため皮付きでゆでるという。
そんなこだわりは、お造りからだけでも十分伝わってくる。その日の鮮度によってネタは変わるが、この日はカンパチ。上には真っ赤なビーツ(火焔菜)のフライ、周囲はパンジーの花やオリーブオイルを材料に作ったキャビアやイクラを模した品で盛り付けており、お刺し身なのに、見た目はほとんどフレンチ。