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極めた「和」 フレンチで進化 常識から脱却 意外な工夫 「京 翠嵐」 (2/4ページ)

2015.5.11 18:30

上には真っ赤なビーツ(火焔菜)のフライ、周囲はパンジーの花やオリーブオイルで作ったキャビアやイクラで盛り付けたカンパチのお造り。新しいスタイルの和洋折衷だ=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)

上には真っ赤なビーツ(火焔菜)のフライ、周囲はパンジーの花やオリーブオイルで作ったキャビアやイクラで盛り付けたカンパチのお造り。新しいスタイルの和洋折衷だ=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)【拡大】

  • 魚料理は、すったかぶらと卵白、キクラゲ、鯛の身を混ぜたものを塩漬けした桜の葉で巻いて蒸したものを耐熱シートでくるんだ状態で登場。朝掘りのタケノコを添えて=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • これを客の目の前で耐熱シートから出し、春菊のペーストで作った薄めのだしをかけて提供する=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • 地元・嵐山の保津川で養殖した稚鮎や、はまぐりとうすい豆のグラタン、上にウニが乗った葛粉固めの空豆ピューレなど、旬の食材をフレンチ感覚で盛り付けた八寸=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • 肉料理では、700年以上の歴史を持つ京の肉でも、A5ランクの牛肉ステーキを提供する=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • お食事で登場するコシビ(マグロの稚魚)の握り鮨。ネタのコシビはスモークシートで燻製の香りを付けるなどひと味違った工夫が…=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • マンゴーのキャラメリゼやグレープフルーツのコンフィチュールなど、春のフルーツをふんだんに使ったデザートも絶品。苦味、甘み、酸味が渾然一体化した芳醇(ほうじゅん)な味わいが楽しめる。左上に見えるのは細いパスタをザクロのシロップに漬けて乾燥させたものとカダイフ=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • 川崎造船所の創始者、川崎正蔵の別荘「旧延命閣」をほぼそのまま利用した豪壮華麗な雰囲気の店内=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)
  • 「世界中の人々が認める新しい和食を提供したい」と意気込む三木秀俊総料理長=2015年4月10日、京都市右京区(志儀駒貴撮影)

 刺し身に特製ドレッシング

 三木秀俊総料理長(41)はこのレストランのスタイルについて「しょうゆの代わりに(イタリア料理で使う)バルサミコソースを使うといった単なる(和洋折衷の)フュージョン・スタイルではありません」と説明したうえで「和を極めたうえで、和にこだわらず、足りない部分をフレンチに代表される洋の要素で補完し、和をさらに進化させたものとして表現しています」と胸を張る。

 例えば、空豆は和食のセオリー通りに調理するなら見た目の大切さもあり皮をむいてからゆでるが、翠嵐では和を進化させる意味で、皮の下側のジューシーでおいしい部分を残すため皮付きでゆでるという。

 そんなこだわりは、お造りからだけでも十分伝わってくる。その日の鮮度によってネタは変わるが、この日はカンパチ。上には真っ赤なビーツ(火焔菜)のフライ、周囲はパンジーの花やオリーブオイルを材料に作ったキャビアやイクラを模した品で盛り付けており、お刺し身なのに、見た目はほとんどフレンチ。

素材の良さ表現

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