【青信号で今週も】
喉頭がんや咽頭がん、舌がんなどの口やのどのがんは、声を失ったり飲み込みが難しくなるなど、日常生活に大きな影響を及ぼします。岡山大学の森田学教授(医歯薬学総合研究科、予防歯科学分野)の研究グループは、「舌表面の汚れ(舌苔(ぜったい))の付着面積が大きい人は、呼気中のアセトアルデヒド濃度が高い」ことを報告しました。
舌苔の付着面積が大きいほど、口腔(こうこう)内のアセトアルデヒドが高く、口やのどのがんに影響を及ぼしているのではないかと結論づけています。アセトアルデヒドは飲酒後のアルコール分解産物の一つでもあり、発がんとの関係が示されています。
アルコールはアセトアルデヒドを経て最終的には水に分解されていきます。アルコールとアセトアルデヒドを分解できる能力は人によって異なります。どちらの分解も苦手な人が最もリスクが高いとされていますが、どのタイプの人も飲酒をしない人よりもがんのリスクは高まります。