【青信号で今週も】
3月9日付のコラムで空腹を楽しむ大切さについてお書きしました。血糖値の低下なども食欲を起こす要因です。もうひとつグレリンという物質も食欲の鍵を握っています。
心臓の病気を治す機関として有名な国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は、最近では「かるしお」と呼ばれる減塩食を推進しています。レシピブックもベストセラーになりました。
ここには国立循環器病研究センター研究所(国循)という研究施設があり、人工心臓などの研究や生理学、ホルモンなどの基礎研究を行っています。
この研究施設で、児島将康教授(久留米大学分子生命科学研究所)と寒川賢治先生(国循理事)は、グレリンというペプチドを発見しました。ペプチドは、アミノ酸が少数連なった物質です。彼らは、ナトリウム利尿ペプチドという既に医療現場の検査項目になっているぐらい重要なペプチドも発見しています。
当時、世界中の研究者たちは、脳下垂体から成長ホルモンを分泌させる物質を必死に探していました。児島先生チームも他の研究者と同様に脳内を探していましたが、うまくいきませんでした。