【青信号で今週も】
脂肪細胞から分泌されて脳にはたらき、食欲を低下させるホルモンであるレプチン。レプチンは、脳だけでなく脂肪細胞にも作用して脂肪を燃焼させたり、代謝の鍵となるインスリンの効果を高めたりする作用も持ちます。けれども肥満が継続し、レプチンが高止まりすると体の感受性が低下します。「レプチン抵抗性」と呼ばれます。
脂肪細胞が増えすぎると、脂肪組織に炎症が起きることが知られています。この脂肪組織の炎症が、レプチン抵抗性を高めインスリンの作用にも悪影響を与えていることが分かってきました。
食料が欠乏して餓死の恐れが高かった太古の昔。少しでも脂肪が蓄積できる状態、つまり幸運にも食料が持続的に摂取できる時には食欲を低下させるホルモンであるレプチンの脳の感受性を下げ、どんどん食べておく。そして、体内に脂肪を蓄積できるだけ蓄積するために、脂肪組織では脂肪燃焼のメカニズムを抑える。そう考えると合目的に説明できるのではないかと考えています。