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時の過ぎゆくままに身を委ねてみる 長塚圭史 (3/5ページ)

2014.12.15 17:05

こうしたアナログ思考ゆえ、私は演劇なるものに没頭するのでしょうか。2015年2月上演に上演する『蛙昇天』の稽古場(仙台)にて=2014年12月7日(長塚圭史さん撮影)

こうしたアナログ思考ゆえ、私は演劇なるものに没頭するのでしょうか。2015年2月上演に上演する『蛙昇天』の稽古場(仙台)にて=2014年12月7日(長塚圭史さん撮影)【拡大】

  • 【続・灰色の記憶覚書(メモ)】演出家の長塚圭史さん(提供写真)

 いや、よかった。

 来てよかったというのだ。そこには、何か日常を損なう不幸などが突発的に私に降り掛かったのではなかったのだねという意味合いと、遅れようが何しようが約束を破りはしなかったのだという意味合いが込められていたように思う。私は相変わらず何も言えぬまま、大きく潤んだような彼の目を申し訳なさそうに見つめていた。やがて彼はたばこを吸い終える。

 じゃ俺、今日は帰るわ。

 と言った。私はうなずく他なかった。彼はそのまま私を残して立ち去った。私は、彼が2時間以上私を待ち続けた、吸い殻だらけのその場所で、やっぱりいつまでも動けずに立っていた。

得た時間、失った何か

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