【続・灰色の記憶覚書(メモ)】
おそらく年齢的なこともあるのだろうが、ここのところ周囲でやたらと赤ん坊が生まれる。ここのところと言っても4、5年前からそれなりに始まっていて、気がつけば仲間内で集まると、子供たちがそこらをくるくる走り回っているのである。
思わぬ特典がつく
話は唐突に飛ぶが、『絵の中のぼくの村』という、双子の絵本作家、田島征三・征彦氏の、戦後間もない1948(昭和23)年に高知で過ごした少年期の思い出を描いた映画がある。特別何が起こるでもないのだけれど、子役の圧倒的な魅力や、俳優陣のどっしりとした存在感(原田美枝子さん、私の父も出演している)、また大木の上から全ての出来事を見つめている3人の老婆という民話的要素も見事効果して、私は大変に気に入っている作品で、96年のベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞するなど華々しい成果も上げたのだけれど、これがちっともDVD化されなかった。いやひょっとするとされていたのかもしれないのだけれど、おそらくかなり少ない枚数しか出回らず、とにかく見直したいと何度も願っていたのにもかかわらず、これまで私の目に触れることはなかったわけである。