崖っぷちで迎えた最終戦の前日、長谷部は「これから10年、20年、日本のサッカーの未来につなげられるよう、4年間積み上げてきた」とただならぬ意気込みを口にした。だが、待っていたのは第2戦から先発を8人も入れ替えてきたコロンビア相手の惨敗。ほぼ互角に渡り合えたのも後半途中までで、日本はスタイルを貫けないまま、ボール保持率では日本を下回りながら、カウンターから着実に加点する南米の強豪に歴然とした力の差を見せつけられた。「やり直せるなら、心理的な面で何かを変える」。ザッケローニ監督の嘆きも後の祭りだ。
欧州のトップクラブでプレーする選手も増え、個々の技量は着実に上がっている。親善試合では敵地でフランスやベルギーを破ってもきた。それでも、世界ははるか前方を歩んでいたという現実。本田は「少なくとも、明日からサッカーをできるチャンスがあるのは幸せなこと。一から精進したい」と4年後を見据えた。まずは2018年ロシア大会の出場権確保が先決だが、今回のW杯で経験した世界との壁を乗り越えていかない限り、夢は幻に終わるだろう。(SANKEI EXPRESS)