誤算引きずる
「すごく屈辱的だった」と吉田麻也(まや、25)。だが、柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう、24)が直後に見舞った意地のシュートもセーブされ、試合終了間際には4点目を献上。グループ最大の難敵、コロンビアに全く歯が立たなかった。1次リーグ3試合で得た勝ち点はわずかに「1」。過去最高の「8強入り」の夢はあえなく消えた。「これが現実。無念の一言」。エース、本田圭佑(けいすけ、28)の言葉に日本サッカーの姿が凝縮されていた。
最大の誤算は、大会の流れを左右する初戦のつまずきにある。コートジボワールに先制しながら逆転負けを喫した。攻め勝つ姿勢を強調しながら、「1点を取って、引いて守りに入った」という主将、長谷部誠(30)の指摘が本当のところだ。守備に追われて疲弊した後半、立て続けに2点を奪われて黒星スタート。一度、狂わされた歯車が元に戻ることはなかった。
世界との差歴然
日本代表は、2010年南アフリカ大会で16強と躍進。ただ直前に採用した守備的戦術に飽き足らなかった選手は多く、攻撃的スタイルを志向するアルベルト・ザッケローニ監督(61)の下、ボールを長く保持して攻め勝つという、新たな日本のスタンダード構築を目指してきた。