2014.5.28 11:20
もし、描かれた健康被害が真実であれば、それを認めて対策を取らねばならないし、真実でないなら、「プロパガンダ(一方的宣伝による情報操作)」として批判しなければならない。問題は、何が本当なのかということと、私たちはどうしたらいいのか、そして、メディア報道はどうあるべきかということである。
東日本大震災は地震と津波、原発事故の複合災害であった。なかでも原発事故は現在まで、誰も肝心の事故の核心である原子炉内部を見たものがいない。まさに隔靴掻痒(かっかそうよう)で、政府と東電、住民の間で、意見の不一致が著しい。
筆者は先週、福島県南相馬市から岩手県大槌町まで250キロを車で走り、現場を見て住民にインタビューをしてきたが、原発事故は最もやっかいな問題であった。
たとえば、福島との県境にある人口1万人超の宮城県山元町では毎月数十名の人口減少が続き、地元の緊急災害FM「りんごラジオ」(高橋厚代表)では、毎朝の放送を地域の人口動態の報告から始めている。