【メディアと社会】
オランダ・ハーグの国際司法裁判所が3月31日、日本が南極海で現在行っている調査捕鯨について、国際捕鯨取締条約に違反すると認定し、中止を命じる判決を言い渡した。この裁判は一審制だからこれで確定である。韓国との領土問題を国際裁判所に判断してもらおうと提案している日本としては、理論的整合性からも国際信義からも判決に従わざるを得ない。
道徳的モデル
筆者は、国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)を決定した1982年に、「日本セイシェル協会」の役員として捕鯨問題に関わったことがある。当時のIWCで反捕鯨の急先鋒であった西インド洋のセイシェル共和国のフェラーリ外相を和歌山県選出国会議員、玉置和郎総務庁長官(当時)の要請で日本に招いた。当時の鈴木善幸(ぜんこう)首相の官邸で話し合いに同席した後、捕鯨基地である和歌山県太地町(たいじちょう)を訪問し、町民とも話し合った。