【メディアと社会】
オランダ・ハーグでの核安全保障サミットに合わせ、米国の仲介による日米韓首脳会談が日本時間3月26日未明、行われる。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相にとって初めての直接的な出会いの場であり、東アジアの安定にとって喜ばしいことだ。
一方で、サミットに合わせて行われた先進7カ国(G7)首脳会議では、ロシアの主要国(G8)会合への参加停止と、ソチで予定されていた主要国(G8)首脳会議のボイコットも決定された。もちろん、その理由は、ロシアによるクリミアの併合への制裁である。もっとも、実際の国際政治の世界では、「公式」会議で何が話されたかということよりも、首脳が直接話し合える関係にあることが重要なのであり、細かいことは事務当局の折衝によって決められていく。
折しも、日本国内では「集団的自衛権の行使容認」をめぐる議論が高まっている。その背景には、(1)米国だけでは世界の物理的秩序が維持できる保障がなくなっている現実(2)日本と中国、韓国との厳しい領土問題(3)原油や天然ガスの安全な輸送ルート確保などのエネルギー安全保障への対応-などがある。だが、紛争を力によって解決できると考えることは、国民の犠牲を必要以上に増やす結果となり、愚の骨頂である。