2014.5.13 09:25
主人公らが東京電力福島第1原発を訪問後に鼻血を出すなどの姿を描いた小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の漫画「美味(おい)しんぼ」が波紋を広げている。5月12日発売号では、「今の福島に住んではいけない」との表現があるほか、大阪市で震災がれきを処分した処理場周辺でも鼻血を出すなどする住民が多発していると説明した。これに対し、福島県や大阪市が小学館に抗議。閣僚からも批判が相次いだ。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は12日の会見で、「美味しんぼ」の問題について「住民の被曝(ひばく)と鼻血に因果関係があることは考えられない。科学的見地に基づいて正確な知識をしっかりと伝えていくことが大事だ」と述べた。
がれき焼却の大阪市抗議
最新の5月12日発売号に掲載された「美味しんぼ」では、岐阜環境医学研究所の松井英介所長が、震災がれきを受け入れた大阪市の焼却場近くの住民が「放射線だけの影響と断定はできないが、目や呼吸器系の症状が出ている」「鼻血、目、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあった」などと説明。「(放射線の)影響は十分考えられる」とした。