サイトマップ RSS

図書館がつなぐ日本とネパールの絆 渡辺武達 (4/4ページ)

2014.4.9 12:00

「ネパール日本子ども図書館」では読者や本の貸し出しはもちろん、折り紙や昔話の語りなどさまざまな活動が行われている=ネパール(提供写真)

「ネパール日本子ども図書館」では読者や本の貸し出しはもちろん、折り紙や昔話の語りなどさまざまな活動が行われている=ネパール(提供写真)【拡大】

  • 「ネパール日本子ども図書館」館長のサパナ・シャルマさん(手前)とボランティアスタッフ=ネパール(提供写真)
  • 調査捕鯨訴訟の主な争点=2014年3月31日、オランダ・ハーグの国際司法裁判所、※裁判官16人(反捕鯨国の出身者10人(オーストラリア含む)、捕鯨支持国の出身4人(日本は小和田恒(ひさし)氏含む)、残り2人の出身国はIWC(国際捕鯨委員会)に加盟していない)
  • オランダ・ハーグ
  • セーシェル・首都ビクトリア
  • ネパール・首都カトマンズ

 図書館はマスメディアと同じく、書物を通して社会情報を市民に仲介する重要な施設である。マスメディアが主として現在起きていることを報道するのに対し、図書館はこれまでの人類の知的財産の宝庫であり、とりわけ子供にとっては小さいときにどういう本を読むかで人生が変わる。

 国連の統計でもネパールは世界の最貧国の一つで、首都の小学校でも机がないところがあったし、筆記用具も不足している。田舎へ行けば、校舎のない木陰の学校は当たり前だった。インドを経由した子供の身売りはいまなお少なくないという。その犠牲でエイズに感染し、ネパールへ戻ってきた娘たちを助ける施設もある。

 米国で奴隷解放運動に取り組んだ第16代大統領エイブラハム・リンカーンは「私の知りたいことは書物の中にあり、私に読むべき本をくれた人が私の恩人だ」という言葉を残した。

 民間の善意が作った図書館が大阪で企業研修した経験を持つシャルマ館長の努力と合わさって、ネパールと日本の「絆」を深めることに貢献していることがうれしい。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ