【メディアと社会】
安倍晋三政権が提案している「特定秘密保護法案」の国会審議が大詰めを迎えている。各党の動きを中心にこの法案については連日大きく報道されているし、ネットで検索すれば山ほどの情報や意見が出てくる。だが、共同通信社が11月23、24日に実施した全国世論調査では、いまだに62%もがこの法案が通れば国民の知る権利が侵害されると答えている。
この法案の基本は国家が保有する情報のうち防衛、外交、テロ、スパイ活動という4つの分野において、その情報の「漏洩(ろうえい)がわが国(日本)の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」と関係役所が判断したとき、それを「秘密指定」にできる権利を政府に与えるもので、アクセスする権利のないものにそれらの秘密を漏らした場合、漏洩者だけではなく、それを聞いた国会議員やジャーナリストらまで、処罰されかねないものである。