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食材偽装 事業者批判では解決できず 渡辺武達 (1/4ページ)

2013.11.13 11:00

 【メディアと社会】

 昨今のメディア最大の話題といえば、底なしの様相を呈している食材偽装問題だろう。有名ホテルや百貨店のレストランなどのメニューに書かれた「客寄せ」の食材が、実際にははるかに安い模造品(もどき)であったのだから、これはもう社会常識的にも、辞書的定義に照らしても「詐欺」そのものである。メニューは不特定多数に向けての公開メッセージだから、発信者にその内容について責任があることに疑いはない。つまり情報発信の形式としては、マスメディアと同様であり、本欄で取り上げないわけにはいかない。

 「キャビア」840円で仕入れ

 報道によれば、某ホテルチェーンはオーストラリア産牛肉に和牛の脂身を打ち込んだ「成形肉」をステーキとして供し、輸入した冷凍保存ジュースを「フレッシュ」と称していた。某有名料亭では、キャビア(チョウザメの卵)と銘打って、黒く着色したダンゴフィッシュの卵を使っていた。ホンモノなら1瓶1万2000円だが、わずか840円で仕入れていたという。

倫理的に事業者を批判するだけでは解決できない

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