子供の心の不調に本人が早く気付き、対処するのを助ける教材やアプリの開発に、大学の研究者と保健室の先生(養護教諭)らが協力して取り組んでいる。科学的な根拠があり、学校現場で使いやすいものにするのが目標。小学校高学年以上の児童生徒を対象に、教材の検証が進んでいる。
アニメで考える
今年2月、埼玉県飯能市の住宅地にある市立富士見小学校。6年生の学級活動の時間に、養護教諭の芦川恵美さんがイラストを見せた。男の子が朝、布団から出られない様子だ。「どうしてだろう?」と問い掛けると、次々に声が上がった。「夜中まで携帯をいじっていた」「友達とけんかした」「ストレス」
答えはアニメ教材を見ながら探る。勉強もクラブ活動も頑張り、夜更かししていた男の子がある日、調子を崩して学校に行けなくなってしまう。母親に連れられて医師を訪ねると「一緒に治そう、きっとよくなるよ」と声を掛けられる-。