なかには、職場で多くの若い女性達が会社の制度を活用して、産休や育休、短時間勤務を取得しているのを横目に、親の介護の問題を抱えながらも、人手のやりくりで疲弊する現場で長時間労働をしながら先輩社員として支えているというケースもありました。
働く人同士が、子育て以外にも何か家庭の事情を抱えているかもしれない、という思いやりの気持ちを一人ひとりが持ちながら働くことは、大事なことだと感じます。
働く女性の仕事と家庭の両立を実現することは企業や社会の共通認識になりつつありますが、多くの課題が残っています。現時点では、両立を実現させている女性も、様々な悩みを抱えながら働いています。
働く意欲の高い人が働き続けられる環境づくりを企業や社会が行っていくと共に、働く人同士がお互いに多様な価値観を認め、個人が抱える多様な事情に配慮し、働きやすい環境づくりに向けた努力をしていくことが必要だと考えます。
(日本総合研究所 創発戦略センター ESGアナリスト 小島明子=文)(PRESIDENT Online)