森本さんは「大人がかかる病気とは思っていなかった」と意外そう。振り返ると、痛みが出る約2週間前には微熱があり、さらに森本さんの子供に赤い発疹が出ていた時期があった。周囲にも同じような症状が出た母親がいたという。
早い診断を
福知山市民病院の川島篤志医師らによると、特徴的な頬の発疹は大人では少なく、発疹が出ても手足が中心。また子供にはほとんどみられない関節痛があり、患者は女性が多い印象を受けるという。
特別な治療法はない。通常は1週間程度で自然に治るが、妊婦が感染すると流産の原因になることがある。23~24年の厚生労働省の全国調査でそうした例が確認され、研究者が妊婦向けパンフレットを作成し注意を呼び掛けている。
川島医師は「大人の伝染性紅斑への認知度は医療関係者の間でも低いことが課題」と指摘。福知山市での流行でも、他の医療機関で原因が分からず、同病院で診断を受けるまでに数週間かかった人もいたという。