まず除外されるのが麺類だ。注文したあとに事件の知らせが入ろうものなら、署に戻ってきたときには、汁は完全になくなり、麺は伸びきっていて、食べられたものではない。
そして警察署内は非常に慌ただしい。出前が届き、さて食べようと思ったら、事件の対応を協議するために自分のデスクが占領されている。どいてくれとはとても言い出せない雰囲気だから、部屋のすみに移動することにする。
高いモビリティを確保するためには、何皿にも分けて盛られている定食系は避けたほうが無難だ。といった具合に、メニューは丼ものに限られていき、体力勝負の警察官としては、ボリュームがあるほうが望ましい。
さらに、ぜいたくが許されるなら、出先から帰ってきて、レンジで温めなおせばおいしく食べられるものがいい。こうした幾多の要望にたえるメニューがカツ丼というわけだ。