しかし、すべての取り調べが終わり、起訴され、あとは裁判を待つばかりとなれば話は変わってくる。容疑者は被告人となり、留置所から拘置所に移送されることになるが、ここまでで警察の仕事はほとんど終わりだ。
そしてカツ丼の出番となる。留置所に迎えがやってくるのは午後の一時。移送の直前に昼食として、取り調べを担当した刑事がポケットマネーでカツ丼を食べさせる、というのが事の真相のようだ。
カツ丼と警察官には深いつながりがある
「裁判前であっても、自白した内容から、懲役は確定だろうなという人がいる。そうすると“長い旅”になるわけです。『カツ丼でも食えよ』『じゃあ、ごちそうになります』と、元気で勤めあげろよという気持ちで、私もカツ丼をおごっていました」
そもそもカツ丼と警察官には深いつながりがある。24時間、事件が起これば即出動だから、出前を頼むとき、その品目は非常に限られる。