妊娠中の女性が身につけている「マタニティーマーク」。厚生労働省が平成18年に定めてから、まもなく10年になる。周囲に妊婦への配慮を求めるマークだが、インターネット上では「幸せ自慢」「妊娠は病気じゃない」など批判の声もあり、「付けたくない」と萎縮する人も出てきた。最近はマークの大きさも遠慮がちに小さくなっている。(中井なつみ)
初期こそつらい
赤ちゃんに寄り添う女性がデザインされたマタニティーマークは、厚労省が公募で選出。おなかの膨らみが目立たない妊娠初期ほどつわりなど体調不良に悩むケースが多いため、交通機関を利用する際などに周囲に配慮を求めることが狙い。交通各社は優先席にマークを掲げ、席を譲るよう呼びかけている。
9割以上の自治体がマークの付いたストラップやキーホルダーなどのグッズを母子手帳とともに渡しているほか、駅などでも配布。厚労省の担当者は「(マークが)かなり浸透している」とする。