毎年500億円…“残薬”をなくそう 「節薬バッグ」で無駄省く (2/4ページ)

2015.11.22 17:12

残薬の一例。飲みにくい漢方薬が残るなど、特徴は人それぞれという(日本薬剤師会提供)

残薬の一例。飲みにくい漢方薬が残るなど、特徴は人それぞれという(日本薬剤師会提供)【拡大】

  • 薬の種類や消費期限などの情報を記載でき、保存性も高めた包装「ESOP」
  • 奈良県大和郡山市で活用されている節薬バッグ

 「節薬バッグ」は平成25年2月、福岡市薬剤師会がスタート。患者が残薬を薬局に持参しやすくするためのツールとして導入した。同会によると、残薬を活用することで削減できた薬剤費は処方全体の約2割に上り、取り組みが全国に広がっている。

 処方変更も

 高齢者の自宅で段ボール2箱分の残薬を発見、中には30年近く前のものも-。12年ごろから残薬をなくす啓発活動を続けてきた大阪市の社団法人「ライフハッピーウェル」代表で薬剤師の福井繁雄さん(41)は、そんな光景を何度も目にしてきた。

 厚生労働省によると、潜在的な残薬は年間500億円分に上り、薬剤師の管理や指導によって400億円分は改善できると推計されている。福井さんは「薬はただではない。無駄になった薬が国の財政を圧迫していることを一人一人が考えてほしい」と訴える。

1日2食の高齢者に食後3回分の薬が処方されていたり…

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