食べたら死ぬ、触れても危険…猛毒キノコの恐怖 奈良で大量発生の謎 (1/5ページ)

2015.10.31 17:02

今年9月、春日山遊歩道付近で見つかったカエンタケ(奈良きのこの会提供)

今年9月、春日山遊歩道付近で見つかったカエンタケ(奈良きのこの会提供)【拡大】

  • 今年8月、生駒山山麓で見つかったカエンタケ(奈良きのこの会提供)
  • シイタケと似ていて誤食が多いツキヨタケ(長野市提供)
  • カエンタケが見つかった春日山遊歩道の川沿い斜面に県が立てた注意看板=奈良市
  • 食用のウラベニホテイシメジと間違いやすいクサウラベニタケ(長野市提供)
  • 「殺しのエンジェル」と呼ばれる猛毒のドクツルタケ(奈良きのこの会提供)
  • 「殺しのエンジェル」と呼ばれる猛毒のドクツルタケ(奈良きのこの会提供)
  • 毒があるクサウラベニタケとよく似た食用のウラベニホテイシメジ(長野市提供)

 実りの秋は、食欲の秋。さまざまな旬の食べ物がおいしいこの季節、シーズンを迎えているのがキノコだ。美しい形状や独特の色合いから愛好家も多いが、秋は毒キノコによる食中毒被害がピークとなるシーズンでもある。奈良では近年、わずかな量でも口にすれば生命にかかわる猛毒キノコ「カエンタケ」が大量発生。発生時期や場所は、虫が媒介する菌で樹木が枯れる「ナラ枯れ」被害と重なっているとの指摘もあり、関係者は注意を呼びかけている。

 カエンタケの威力

 地面から人間の指先が突き出たように生え、燃えさかる炎のような赤色を全身に帯びるキノコ。古くからその猛毒で知られ、林野庁の担当者が「毒キノコの中で最も危険」と話す「カエンタケ」だ。漢字では「火炎茸」、または「火焔茸」と書く。

 カエンタケはニクザキン科のキノコで、長さは3~15センチ。折れたりして内部から染み出た汁が皮膚に付着すれば炎症を起こし、誤って口にすれば約30分後には悪寒や嘔吐(おうと)、手足のしびれなどを発症。数日後には消化器不全や脳神経障害を引き起こし、死に至ることもある。厚生労働省によると、過去には薬用と勘違いして酒に浸して飲み、死亡した例もあるという。

このカエンタケ、近年は奈良県内で大量発生しているのが…

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