増加傾向の大腸がん
5月に54歳で亡くなった俳優の今井雅之さんは大腸がんだった。体調に異変を感じたのは昨年8~9月で、11月に病院で検査を受けたところ、他の臓器への転移がみられる「ステージIV」の大腸がんと診断されたという。ステージIVの場合、5年生存率は3割程度とされる。
大腸がんは、大腸の内側の表面にある粘膜に発生するがんで、食の欧米化などにより近年増加傾向にある。大腸がんになると、便に血が混じっていたり便秘になったりするほか腹痛などの症状が表れるが、初期にはほとんど自覚症状が出ない。ただ、便の中に混ざっている血液を検出する「便潜血検査」は早期発見に有効だ。がん研有明病院消化器センター大腸外科部長の上野雅資医師は「大腸がんは診断も簡単で比較的治りやすい。早期発見のためにも40歳以上の人は定期的に検査を受けてほしい」と話す。