旅行など泊まりがけで出掛ける機会が増える夏休み。「子供のおねしょが治らなくて…」と悩む親は少なくない。5歳を境におねしょは医学的に「夜尿症」と呼ばれ、治療が必要なケースもある。長引くと子供の心理面に影響することもあり、専門家は早期の受診を呼び掛けている。(兼松康)
宿泊行事きっかけに
「かつては放っておいても治るとみられることが多かったが、最近は小学校入学や宿泊行事参加をきっかけに治療に訪れる人も増えている」と話すのは、昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)小児科の池田裕一准教授。
池田准教授によると、幼児期は夜間の排泄(はいせつ)機能が十分、発達していないため、おねしょをすることがある。通常は3~4歳頃から調整できるようになり、回数は減る。5歳になっても月2回から週2回程度おねしょをすると夜尿症と診断される。睡眠中に作られる尿の量とぼうこうの容量のバランス不全が原因だ。
池田准教授によると、受診する親の多くは「『学年でうちの子だけでは…』と悩んでいる」という。だが、製薬会社、協和発酵キリンによると、5~6歳で全体の15%、10歳でも10%近く夜尿症の子がいる。5~15歳で約80万人という推計もあるという。