認知症の告知、本人と家族の不安と恐怖 情報行き届かず、手薄な支援 (2/6ページ)

2014.8.24 07:16

小さな字がびっしり並んだ小林さんの手帳。行間に必死さがにじむ

小さな字がびっしり並んだ小林さんの手帳。行間に必死さがにじむ【拡大】

 鬱病と診断されたが、1年ほどで「言葉が出ない」と言い始めた。堪能だった英語が読めなくなり、秘書に指示する言葉が出ない。検査のため、都内の大学病院に入院。医師から「若年性の前頭側頭型認知症です。良くなることはありません」と告知された。

 佐代子さんは「これからどう生きていったらいいのか、病院は何も教えてくれなかった。薬をくれただけ」と言う。65歳前でも介護保険が使えること、障害者手帳を受け取れること、障害年金が受けられるかもしれないこと-。手探りで家族会を探し、自治体に電話して情報を得た。

 健太郎さんの不安は癒えなかった。受診のたびに「可能なら手術がしたい」「未承認薬の治験に参加したい」「何か薬を」「治療を」と訴えた。手帳はその頃のもの。佐代子さんは最近、見つけて涙した。「夫は分からなくなるまで苦しんでいました」

辞めろ、とは言われなかった

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