「おやじに言われた中で一番大事だと思ったのは、プロにならなくちゃだめだということ。オーナー家として支配するのではなく、経営者としてきちんと仕事をするという意味だと思う」
だが、豊さんが広げた店舗を減らしたり、新商品を発売したりすると、「おやじは面白くない顔をしていましたね」。世の常である父と子の葛藤が2人の間にもあったようだ。(寺田理恵)
≪メッセージ≫
崎陽軒の経営については安心して任せてください。売り上げを、今よりもさらに伸ばしていきます。
【プロフィル】野並豊
のなみ・ゆたか 大正11年、横浜市生まれ。父は「シウマイ王」と称された崎陽軒初代社長の野並茂吉。満州から復員し、慶応大在学中から崎陽軒の業務に就き、昭和23年、崎陽軒常務。40年、社長。42年に「真空パックシウマイ」を発売、全国に知られる横浜みやげに。平成3年、会長。今年1月、91歳で死去。
【プロフィル】野並直文
のなみ・なおぶみ 昭和24年、横浜市生まれ。慶応大大学院修了。47年、崎陽軒に入社。平成3年から現職。工場のリニューアルなど生産性と味の向上に努める。横浜商工会議所副会頭も務める。