父は徹底的に突き詰める人 「ねこじゃらし」社長・川村ミサキさん (1/3ページ)

2014.3.16 17:47

湊さんが命名したかった「岬」は人名に使えず、カタカナ表記に。「今も漢字に変えろと父は言うが、なじんでいるのでこのままでいる」と話すミサキさん(日野稚子撮影)

湊さんが命名したかった「岬」は人名に使えず、カタカナ表記に。「今も漢字に変えろと父は言うが、なじんでいるのでこのままでいる」と話すミサキさん(日野稚子撮影)【拡大】

  • 湊さん(右)はインドでの学会出席で、自宅にこもるミサキさんを旅に誘ったという(川村ミサキさん提供)

 イラストや写真、音楽や映像など創造力が作りだした作品データをインターネット経由で共有するサービスを展開するIT企業「ねこじゃらし」(東京都港区)社長、川村ミサキさん(35)。父親は文芸評論家で法政大学教授、川村湊さん(63)だ。

 ミサキさんは3歳から小学1年生まで、韓国・釜山で過ごした。湊さんが現地の大学で教鞭(きょうべん)を執っていたためだが、帰国後は生活が一変。「釜山では家にいなかった父が一日中、家にいて、食事と風呂と寝るとき以外はずっと本を読んでいる。勤めに行っているような友達のお父さんとは違うらしいと気づいたけれど、何をしている人かは分からなかった」

 食卓は父の社会に対する評論の場で、「とにかく批判ばかり聞かされていた」。しかし、子供には放任主義。誕生日祝いもなく、もらったのは年に1度のお年玉だけ。「◯◯しなさい」と言われずに育った。

 ミサキさんは大学生時代、インターネットベンチャー企業でアルバイトをしたのがきっかけで、パソコンを通じて世界中の人とつながる楽しさにはまり、家にこもった。4年になると周囲は就職を決めていくが、「父も好きなことをやろうと家にいたのを見ていたので危機感はなかった」と振り返る。

居酒屋でアルバイトをしてると話すと、「お前はばかか」と一喝

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