「ベンチャー企業はマネーゲームの対象になりがちだけど、企業は本当に社会の役に立つと心から信じる事業で収益を上げるのでなければ、事業をやる意味はない。企業の品格の問題だ」と言い切る。その考えに到達したのは、徹底的に資料を読み込み、真摯(しんし)に地道に調べあげる湊さんの評論活動の影響によるものだ。
「文芸が一番高尚、他はくだらないなんて批判・否定的な発言ばかりを父から聞くが、裏打ち作業をしてきている。ものの見方は違っていても、そこは尊敬してるんです」(日野稚子)
≪メッセージ≫
自分の好きなことにとことん取り組む姿勢を学びました。飲み過ぎに気をつけて母さんと長生きしてください。
【プロフィル】川村湊
かわむら・みなと 昭和26年、北海道生まれ。49年3月、法政大学法学部卒業。55年、『異様(ことよう)なるものをめぐって-徒然草論』で群像新人文学賞を受賞、文芸評論家として活動を開始。平成2年、法政大学第一教養部助教授などを経て、11年、同大国際文化学部教授。平林たい子文学賞、伊藤整文学賞、読売文学賞などを受賞。
【プロフィル】川村ミサキ
かわむら・みさき 昭和53年、千葉県生まれ。東京大学文学部卒、法政大学工科大学院修士課程修了。平成18年、「ねこじゃらし」を創業し、代表取締役に就任。