筒井康隆「作家としての遺言」 新刊で「凄み」や「色気」説く小説作法 (3/3ページ)

2014.3.1 18:14

実験的な小説を書き続けてきただけに、随所に自作が引用される。「同じことをやるなら、これ以上のものを書け、ということ」と笑う筒井康隆さん(野村成次撮影)

実験的な小説を書き続けてきただけに、随所に自作が引用される。「同じことをやるなら、これ以上のものを書け、ということ」と笑う筒井康隆さん(野村成次撮影)【拡大】

 怖いものはなし

 一昨年にはライトノベルを初めて執筆し、昨年の最新長編『聖痕(せいこん)』では擬古文を使った自由な文体で読者を驚かせた。「大体書き尽くしていて、何にも出てこない」。次の長編についてはそうはぐらかされたが、近くの飲食店で目撃した笑える光景など、短編に結実しそうな魅力的な断片をいくつも披露してくれた。「80歳近くなって怖いものがなくなってきている(笑)。何とでも言わば言えです。最近のスマートフォンのことは詳しくないけれど、それがいかに分からんか、という話なら書けるかな」

【プロフィル】筒井康隆

 つつい・やすたか 昭和9年、大阪市生まれ。35年にSF同人誌「NULL」を創刊し本格的な創作活動に入る。56年に『虚人たち』で泉鏡花文学賞、62年に『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞を受賞。平成4年に『朝のガスパール』で日本SF大賞を受賞。『時をかける少女』『家族八景』『ベトナム観光公社』『文学部唯野教授』など著書多数。

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