国を愛し子孫を思った頭山満
日本人が忘れてしまった日本近現代史を描いた物語である。
昨今、中国、韓国との外交が行き詰まっている。国内では嫌中、嫌韓感情が高まり、在日コリアンに対するヘイトスピーチが公然と行われるようになった。果たしてそれが愛国なのか-。明治の国士たちの愛国心とはいかなるものだったか、国家というものをどう意識し、アジアをどう捉えていたか、本書は日本人の原点にいま一度たち帰る。
主人公の頭山満は自由民権運動が盛り上がるなか、政治結社・玄洋社を率い、欧米の帝国主義から日本とアジアを守ろうと奔走した。幕末に生まれ、終戦前年の昭和19年まで生きた頭山の一生には、黒船来航から大東亜戦争までが起きた。近現代史の体験者である。