昨年末、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食。日本人はどこまで和食の奥深さを知っているのだろうか。本書は異文化からの視点で和食をとらえ直し、「日本人が知らない世界の中の和食」を記す。
著者は辻調グループ代表であり辻調理師専門学校校長として、海外への和食の発信を積極的に行ってきた。8歳にして父親、辻静雄に連れられ一流料亭の味を覚えるという英才教育を受けた。12歳で渡仏し、27歳で帰国するまで英・米で生活した経験を持つ。外国人が初めて「澄まし汁」に口を付け「苦々しい表情」で困惑する様子など不思議体験もつづられる。(新潮新書・756円)